2017.02.07 Tuesday 17:10

◆『感じるお灸 効果的なお灸のやり方』3

 

 

こんにちは田中です。

 

前回までのおさらいです。

同じ温度のお灸で感じる熱さや温かさの感覚の違いが、

その日、その時のからだの状態の目安になるということでした。


具体的には、

 

お灸をした時の熱さの感じの違いを、

1 チクっと熱い。感じ。 → 表面の冷え

2 ほんのりと温かい。感じ。 → 体内深くの冷え

3 熱さを感じない。 → 感覚麻痺 病が深い


以上の3つに分けて感じてみる。というところまでです。


今回は、

からだの場所で冷えやすいといわれるところのお話をしてゆきます。

 

からだの部分でいうと、骨のでっぱり、(凸)の部分です。

 

もっというと肘の先端、膝頭(膝のお皿)、内と外のくるぶしの骨が代表です。

 

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骨が皮下直下に触れるところを身体の構造でみてみると、
筋肉活動で発生する熱を放散するためには重要な部分です。

 

その他鎖骨もそうです。脳の熱化を防ぐため首の周囲は静脈も発達しています。
それには放熱機構としての意味もあるのです。

 

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ですので逆に言うと、

膝の曲げ伸ばしなどで腿(ふともも)の筋肉を余り使わないと
冷えやすいところとなってしまうのです。

 

そして血行不良があれば関連する胃腸の働きも悪いというのが東洋医学の考えです。

 

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試しにまず肘、膝のお皿の上の中央あたりの皮膚が薄くペコペコして、

凹のところにお灸をしてみてください。

大概の方はお灸をしていることすらわからないくらい熱さや温かさの感覚は
感じないと思います。


感覚の神経が麻痺して感じなくなっているところです。

 

前回お話した

 

3 熱さを感じない。 → 感覚麻痺 病が深い

 

というからだの部分です。

 

 

こういったからだの場所は
黒ずんで、シワが深くなっていたり、色素沈着で黒ずみや白く粉の吹いたように
カサツキが起きていたりしていることも多いところです。

 

こういった皮膚は他の部分とことなり、皮膚呼吸、発汗ができず、
皮下の血流も少なくなっているので冷たいです。

 

ときには爪で軽くつねってみても痛さはほとんど感じないことも多いです。

鍼灸師はこういった皮膚上の部分をみつけて、そこに皮膚呼吸ができて発汗し
解毒できやすい皮膚にしてゆきます。


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膝頭の周囲のお灸は胃腸の働きをよくするツボの代表です。

 

松尾芭蕉の奥の細道にも登場する、有名なあしさんり(足三里)というツボも
あります。

 

外側にはようりょうせん(陽陵泉)という消化を助ける胆のうのツボも
あります。

 

 

  鍼灸の経穴といわれるツボでは、

指の先端から肘や膝にかけてはグラデーションのように作用の違いがあり、
使い方を分けています。

 

指先は頭や顔に関係が深く、

 

肘や膝は胴体の中にある内臓と関係しているとみます。

 

指先の先端から肘や膝の関節の部分までを

一つの身体全体にみたてているのです。

 

 

ちなみに手首、足首は、首というだけあって、そのまま首と関連しているとみます。

 

 

首の凝りをとるために、手首や足首にブレスレットやアンクレット
みたいなものを巻いたりします。


ドラッグストアなどでも売っていたりしますが、そのような理屈です。

 

通常は一番凝っている(関節が太くなっている)ところに巻きたくなりますが、
鍼灸師は左右手首足首を比べて一番細い部分に巻いてバランスをとってあげる
というやり方をするのが本来のオーソドックスな方法です。

 

 

鍼でも凝り固まって痛そうなところをやわらげるためには、

 

そこは後回しです。

 

まずは他の場所に鍼をするところを求めるのが第一の選択です。

 

そうでないと単なる痛いだけ、

 

もしくは、痛気持ちいいで終わってしまうからです。


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話を戻します。

 

肘や膝の関節付近のツボは、合穴(ごうけつ)と呼ばれます。


内臓や胃腸のからだにとって不必要なものである食積(食べ物の残り)を取り除いたり、

水滞といわれる水(リンパ液など)のうっ滞を取り除くのに特化したツボです。

 

なるべくうっ滞や冷えがないほうがいい場所です。


肘先や膝の先端付近の凹のところにお灸をして、

冬場の足元からの冷えと 腕から首、頭にかけての冷えを

皮膚呼吸ができるように常に抜いてあげるといいです。

 

日々その部分のお灸のあつさ具合を確認するだけでも、

毎日働き続けている胃腸の負担を軽くできますよ ^^

 

 


以下、ツボを見分ける方法です。参考にしてみてくださいね。

 


◆お灸をする場所(ツボ 穴)
http://kyushindoblog.feel-hariq.com/?eid=32

 

◆日経新聞より。『肌のへこみ部分がツボ』

 

 

 

次回はお灸をするときの注意、原則的なことについて

お話させていただきます。

 

 

予定は、

 

上〜下
左右を比べて凹の側から
壮数など
前回の膝ガシラのお灸の熱さを感じるまで。

 

です。よろしくお願いします<(_ _)>

 

 

 


2017.02.03 Friday 18:44

◆『感じるお灸 効果的なお灸のやり方』 2

 

こんにちは田中です。

前回から、 『感じるお灸 効果的なお灸のやり方』 ということで

お話させていただきましたが、その続きです。


前回のまとめとして、


『お灸は料理と同じように火加減が重要な要素』


『お灸の熱さや暖かさは本来は同じ温度のものをやっている』

ということを感じて頂ければ十分です。


ということでお話をすすめさせていただきました。

 


続きになる今回は、さらにそこから話をすすめて同じお灸をしているのに、お灸をする場所が異なると、
熱さの感じ方が違うこと。

またその日の体調により熱さが異なるということについてお話します。


まず熱さは神経を通じて脳に伝達して 『熱い!』 と感じます。

そのことは科学的にも明確なのですが、

さらに私達の感覚では熱さの感じ方にも違いがあります。


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大まかに分けると以下の3つです。


1 チクっと熱い。感じ。

2 ほんのりと温かい。感じ。

 

3 熱さを感じない。


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前回、当院での間接灸(せんねんきゅうタイプ)のお灸の温度の目安として、

53℃の マイルド というものを主に使っていると話しました。


そして話をすすめ、今回はこの3つの違いにより、

今の私達のからだの状態の大事な目安になるということをお話します。

 

何事も絶対というのはいいきれませんが、鍼灸の診察法などでは細かなことよりも、

まずは単純化してからだの大きな違いをみつけることが重要です。

 

違いをみるということは、

まずは何か基準点やランドマークを決めなければなりません。

 

なるべくわかりやすいもののほうが、後々袋小路に入ったときにでも戻ってきやすくなります(^^)


 

話を戻します。

 

 

再び、お灸をしたときの感じ方を シンプルに3分類してみるです。

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1 チクっと熱い。感じ。

2 ほんのりと温かい。感じ。

 

3 熱さを感じない。


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1と2が混ざった感じということもありますが、

そのときはどちらも。

 

ということでとらえて頂いてかまいません。

 

お灸をやり慣れてくるうちにわかるようになってきます。

 

 

納得いかない方のために少し補足しますと、

 

うまく説明ができないですが、

東洋医学(鍼灸・漢方)は細かな違いを重要視するよりも

より上位の大きな違いをみつけて、

そちらを修正すれば小さな違いも平衡化されやすいという

そのような自然のしくみを利用する? というようなことなのでしょうか。

 

 

 

まずは具体的にお話します。

 

 


1 チクっと熱い。感じ。

 

これは皮膚表面の知覚神経の温度感覚の神経と関係があります。

鍼灸ではこれを 『表寒』 といって からだ表面が冷えている状態と
みなします。

乾布摩擦などがお灸以外では同じことをしていることになります。

もっと簡単にいうと、ときおり皮膚をさすればお灸の替りに表寒が取れるということです。

運動やストレッチも動きにより皮膚が引きのばされるので同様です。

これは深い筋肉ではなく、まずは皮膚表面を刺激することが重要です。
発汗をうながしてあげて正常な感覚に戻してあげる。

それから深い筋肉の凝りをとってあげる。という方法でないと

筋肉は力で押しても緩むどころか逆に張ってくる反射をします。


発汗法といわれ、葛根湯や桂枝湯などの発汗して風邪を抜くというときの漢方薬の適用と同じ目的です。

 


2 ほんのりと温かい。感じ。

 

この感覚は体表(皮膚)の冷えはなく、ややからだの深部が冷えているので、
熱いというよりも、心地よい暖かさや、暖められることで安心感のように感じる
リラックスできる温かさです。

遠赤外線といわれるこたつや電気毛布がこのような内を温めるものですが、

表面の冷えがとらず体内深くばかり温めても冷え症は一向に体質改善しません。

むしろ体内の潤いがなくなり干からびてくるような状態でどんどん冷えを感じやすく

なってしまいます。
この体内深くが冷えていることを 『内寒』『裏寒』 といったりします。
また先生によっては『陰虚』といわれる方もいます。

 


3 熱さを感じない。

 

この状態を病が深いとみなします。その場所と関連する内臓の機能低下がすすんでいます。
からだ全身でみると肘の先の象さんの皮膚のように黒ずんでカサカサしている
ようなときに爪でつねってみても痛みを全く感じません。
神経伝達がまったくストップしています。
本来は麻痺とか無痛という状態です。
温度感覚の神経もストップというか私達の認識ではわからなくなっている
状態です。(厳密には痛みと温度、体表(皮膚)部と筋肉などのそれぞれの神経は受容器といわれる痛みを感じるところや神経の伝達ルートがそれぞれ異なります)


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お灸をしたときに以上の3つのどのように感じるか?

 

ということで今の体調がわかるというのが東洋医学(鍼灸・漢方)の

みかたです。


たったこれだけ! と思うかもしれませんが、これが重要です!!

 

 

このようなからだの感覚の基本が鍼灸師や武道家の方たちはもっています。

自身のからだの感覚でツボごとでどのような状態かを知るということは、

自身のからだで実践してきているので慣れてしまえば、

あるスポーツで(家事でも)

からだで覚えたことなので頭で考えずに自在にからだを動かせる感覚があるのと同じ感覚です。

 

 

(例えば歩く、自転車に乗る、ギターが自在に弾けるなども同じことで
意識を変えればどんなことも健康法として実践きるということです)

よく楽器などでも呼吸とのからみで書かれている本なども結構目にしたりします。

 


ですので特別なある先生だけができるという技術というものではなくなります。

誰しも経験を積めばみえてくる基本的なみかたが重要とされます。

 

大事にされているのは当たり前で見過ごしているのような感覚を
もう一度自身のからだで再確認するということができれば、
どなたでも十分効果的なお灸やご自身のマッサージで健康維持ができる
というのが東洋医学(鍼灸・漢方・武道)などのシンプルな根本的な考え方です。

ですので何千年も続いてこれたのです。

 

今回の場合は

『同じお灸をしているのに熱さが違う』

そのことをからだの寒熱の違いがあるところはどこか?

ということに置き換えただけです。

通常の方が誰でももっている熱さの感覚の違いで十分です。

 

 

 

答えをいえば、

 

3 の熱さを感じないという、知覚異常の場所がからだのどこかに結構あるということです。

  

これは逆に冷えやすい場所です。一見健康そうな方でもその箇所は感じにくい方が大半です。

また逆にいえば、そこがしっかり暖かさの感覚があるということは、

かなり健康度も高いと判断したりします。

 

 

たったこれだけのことなのですが、数カ所のお灸を覚えてそこにたまにしてみて、

その日の熱さの違いの感覚だけでも自分の胃腸の状態や

 

熱さを感じない → 冷えていること = 血行不良の場所 = 内臓の機能低下 

 

などがわかってくるようになってきます。

  


 

 

ということで、

今回は、お灸をした時の熱さの感じの違いを

 

1 チクっと熱い。感じ。 → 表面の冷え

2 ほんのりと温かい。感じ。 → 体内深くの冷え

 

3 熱さを感じない。 → 感覚麻痺 病が深い 機能低下がすすんでいる

 


以上の3つに分けて感じてみるいうことでした。

 


お灸は漢方薬のように葛根湯、小青竜湯などのように薬自体を使い分ける必要は
あまりありません。

別の言い方をするとその場所の感覚に応じている効き方をするということです。

そのためにからだのどこにするか? ツボ 経穴、

という場所を変化させることで、より効果的にできるということになります。

しかしこれも難しく考える必要はなく、まずはからだの

上下 左右 を 見比べる ということでもからだ全体を大きく

バランスをとることができるように整理されて説明されています。

 

 

次回は実際の私達のからだを例にとり、

肘の先端や膝のお皿(膝蓋骨付近)の冷えと内臓のことについて

書かせていただこうと思います<(_ _)>


2017.02.01 Wednesday 18:19

◆『感じるお灸 効果的なお灸のやり方』

 

◆感じるお灸 効果的なお灸のやり方

 

 

自宅でお灸をしているが、どうも効果のほどがよくわからないということを
よくご質問を受けます。

当院のHPでも、『お灸のやり方』というページにアクセスされる方も多く、

ドラッグストアで購入されご自身で行われている方もたくさんいらっしゃるようです。

今回はそのようなお灸の、より効果的なやり方。

鍼灸師が何を感じ何をみてお灸をしているのか?
というようなことをお話させていただきます。

 

毎年江東区民まつりでのお灸を無料配布させて頂いているときに
お話させて頂いている内容や、一般の方の東洋医学の講習会向けで
私がお灸のやり方についてのご説明でさせて頂いていることと同じ内容です。

また、当院の患者さんの中にはご自身でも自宅でお灸をされている方が

多くいらっしゃりその時にお話させて頂いていることです。

 


大事なのは、ご自身のからだでお灸熱さ具合を『感じること』だけです。

 

はじめのうちはいつも同じ温度でできる同じお灸を使うことです。

 

通常の「せんねんきゅう」のような、ドラックストアで手に入れられるものでしたら、
どのようなものでもメーカーは問いません。


大事なのは同じ燃焼温度のお灸を一定の期間使い続けて、お灸の感覚を掴むことです。

 

からだのお灸をする場所が異なっても、同じ温度のお灸をしているという大前提が
重要です。

 

そして、異なる場所だと熱さや暖かさがことなったり、
また、全くお灸をした感覚がないという感覚があることがあります。

 

このお灸の火加減の感じ方の違いは皮膚の感覚神経によるもので、
大事なその時のからだの状態をあらわしています。

 


当院では様々な灸法をその時のからだの状態に合わせて使い分けているのですが、
ようするにこの使い分けの意味で一番大事なのは、火を扱うわけですから、
料理などと同じで『火加減』が大事な要素です。

 

もぐさの品質がいいから香りもいいというのもありますが、まずは大前提に
どのくらいの火力でおこないたいかということが大事なのです。

 

 


当院ではよく使用するものの中では、

 

弱、マイルド 53℃
中、レギュラー 60℃
強、ハード 64℃


というものの中の、

『弱 マイルド 53℃』

というものが当院の通常の患者さんの一定の目安とです。

 

 

まず自分の使っているが自分のからだで感じる時の
目安のお灸(もぐさ)を決めるということです。

 

初心者の方や通常の頭脳労働が多い方は、そのメーカーの一番弱い温度のマイルドと
いのうからはじめてみてください。


後々は慣れた方や肉体労働やスポーツで心拍数や血流を上げ、体温があげることが日常に多い方は、

中や強ということで、体質や体力に応じて使い分けていきます。

 

またからだの部位ごとに、熱さや暖かさを感じにくいところがありますので、
慣れてきた方はからだのその日の状態に合わせて使い分けしてゆくようにするまでになるとかなり上級者です^^


今回は同じお灸を使い続けて、

『お灸の熱さや暖かさは本来は同じ温度のものをやっている』

ということを感じて頂ければ十分です。

 

 


次回は、

同じお灸をしているのに、

なぜ熱いと感じるところや、ほんのりと温かいと感じるか?

 

また、その時の体の状態についてのお話をしていこうと思います<(_ _)>

 

 

こちらも参考にしてみてください。

 

自分でお灸をしてみる 〜 お灸のやり方

 

http://kyushindo.feel-hariq.com/jibun%20yojyo/jibundeyousiou.html


2017.01.25 Wednesday 18:20

扁桃腺、のど風邪の残り

 

 

  

扁桃腺、のど風邪の残り


すみません、また風邪のお話です^^

 

何度もお話しますが、漢方や鍼灸の考えでは、

 

『風邪は百病の長』です。

 

 


冬の時期、大きな症状にはならないのど風邪にいくつもかかります。

 

そしてからだの身心の疲労などが蓄積し、抵抗力が弱まっていると、

積極的な炎症=からだの修復作用が起こせず、

 

いつまでもダラダラと風邪が続き、

首の周囲や肩のあたりがむくんでいる状態になります。


東洋医学の古い本で、冬場に蓄積する冷えや風邪が残り、
季節が変わるごとに様々な症状に変化することを教えてくれます

 

首こり、肩凝り、背中のコリの大きな原因の一つです。


この場合もちろん肩や首もハリをおこなうのですが、

同時に指先、指の水かき、肘や膝の内臓の奥深く繋がるツボから
水抜き(水滞や湿と呼ばれる)を行い、胃腸を丈夫にします。


この寒い時期にこそ、

 

お灸による


冷えとり、風邪抜きをお試し下さ〜い^^

 

 

 

ほうらい はり・きゅう  九鍼堂 

 

  03-5676-5900


2017.01.25 Wednesday 17:43

手・足の冷え、指の冷え、しもやけ様と爪の周囲と花粉症

 

 

こんにちは、今年に入って寒波が続いています。


当院の患者さんでは、目の周囲や目尻の痒みを訴える患者さんが例年よりも、
多く感じています。

 

細かくからだをみてみると、鼻水やくしゃみなどの漢方的には三焦が関連の強い風邪のタイプです。

 

それと例年より多いのは、手の表寒(冷え)がかなり強い方が多いです。


ひどい方はしもやけ様になっており、冷えが転じて熱化しています。

 

 

これが残ったまま三月を迎えると花粉症がひどくなります。

 

 

 

この場合、指先がパンパンに脹っていて水(リンパ腋や血液)がスムーズに流れていない状態です。

 

ひどい場合はひび割れ、あかぎれになっていてそこまでなっていなくても、爪周囲が角質化したり、

 

爪の甘皮部分も堅くどす黒くなっていて爪周囲から発汗や皮膚呼吸ができず厚く覆いかぶさってしまっています。

 

 

こうなっていると頭皮からの発汗もできず、顔全体の水分量も多くなってしまうので、
指先と関連する頭や顔、とくにまぶたや顔全体の皮下に水が溜まりが少しむくんでいる状態
です。

 

 

 

指先や頭皮を乾布摩擦のように皮膚表面上を軽い刺激で発汗や皮膚呼吸ができるように、
してあげるのが大事です。

 

1月、2月の冷たい寒さは、寒冷刺激によりすぐに皮膚呼吸や発汗ができにくくなります

 

寒冷湿疹といわれるものの病態もこのような感じのものが多いです。

 

発汗できないことによる皮膚の痒みカサツキがからだの皮膚のあちこちで起こっています。

 

漢方では皮膚を丈夫にすることは、肺を丈夫にすることです。

 

乾布摩擦のように体表(皮膚)を軽く常に擦ってあげることで、体表(皮膚)に入った、
冷えが取り除けます。

 

カサツキや白く粉が吹いたようになっている部分、角質化したり、


黒ずんで硬くなっている皮膚をさすって、

 

もとどうりのきれいなピンク色の潤いのある
皮膚にしてあげてください。

 

それとうがいのほうも毎日多めにお願いします<(_ _)>

 

 

 

  当院ではこの時期、

 

       手足の指先から冷えの寒邪を除く = 頭からも発汗

 

  の伝統的なお灸療法を積極的にやっています。

 

  ぜひ、寒いこの時期にこそおすすめです。

 

  春になったときに、花粉症をはじめからだの不調を感じないために、

  お灸による表寒、冷えとりをお試し下さ〜い^^

 

 

       お灸で寒さ、風邪に負けないからだをつくりましょう^^

 

 

  ほうらい はり・きゅう  九鍼堂 

 

  03-5676-5900


2015.06.10 Wednesday 21:39

手足の左右差、足を組むこと。悪いこと? それと猫背^^

今日の講習会でご質問を受けた内容です。


手足の左右差、足を組むこと。悪いこと?
それと猫背^^


ツボ、手や足の左右差を比べる。
ということを話すなかで、よく受ける内容のご質問です。



バレーボールをやっているという50代位?の女性方でした。

運動指導の方か、治療院の方かは伺わなかったのですが、

左の腕全体の筋力が右と比べて弱いので強化するように言われたそうです。
そして無理して使いずらい左の腕の筋力アップをした。
無理して筋トレをやったので余計に肩を壊してしまった。

そのことで私はからだのことがよくわからなくなりました。

そして、そのことと関連して私の聞きたいことは、

私自身、足を組む癖があるが、足を組んでいいものなのか?


というご質問でした。


(パッとみても、この女性の方の背骨の腰椎の前弯(S状のわん曲)がかなり、
強すぎる状態です。顔の色も黒っぽくまさしく腎、腰回りの力がなくなっています)



私:
足を組みたいと感じるのは、そうすると身体が楽だからです。
はじめのうちは無理して組むのを止めようとせず、
いつもやる側を存分に組んだら、

今度は、必ず忘れずに反対のやりにくい側の足も組んであげましょう。



そうすれば、バランスが自然ととれます。
両方の足をやりやすい、やりにくいの差が少なく同じように組みやすくなれば、
からだの捻れが自分で修正されているはずです。
それが本来無意識的に自然に行っているストレッチや運動療法です。
そういったからだの考え方を実践すれば、
それは、もう立派な気功法であり、捻りの姿勢のヨガです。

足を組みたいというものは、
本来は自然とお尻の殿筋のストレッチをしているのと同じです。
そういう身体の無意識的な欲求です。



もっというと股関節や太ももの筋肉も伸ばしてリラックスしようとしている姿勢です。
本来、そのようなからだの自然な反応なのです。

そして左右に足を十分組んで股関節や腰の捻れの動きに左右差が少なくなり、関節の硬さが

とれて左右の柔軟性がほどよくなると、一般的に良いといわれる背骨をまっすぐな姿勢をし

てもあまり苦痛ではなくなります。
左右の股関節を中心とした柔軟性を取り戻したからです。


普通は準備体操ですることを、
長い時間自分で足を組むということで行っているようなことなのです。

ですけど、今は片方の足しか柔軟体操をしてない状態です。

運動前の準備運動でも必ず片方をやったら、片方もやるはずです。
それを日常の動きではしていないだけです。


よい姿勢というものを意識し続けることは大事なのですが、
苦しい時もあります。その時は、いったん苦しい姿勢はあきらめて、
楽な姿勢を存分にとってあげて、
今までその姿勢を保ってくれた筋肉を緩めてあげることです。
ごくごく軽い腕回し、腰回し、足首回し、
やりやすい側から存分にしてあげ、その後動きにくい側を
やれば十分ヨガであり気功(導引)です。



本来はよい姿勢というものは苦痛なものではなく、
一直線上の棒が立った重心が前後左右に微妙に動き絶えず微妙に修正をできる
リラックスした直立不動な姿勢です。
一本の棒のような状態で重心が一直線上にあれば、
周囲の筋肉はそれほど強い力で支えなくてもよくなります。
その状態をたまに確認してあげるのが気功やヨガ、
運動療法でからだの不調を改善するという昔からの知恵です。


直立不動というと、ちょっとでも動いてはいけない!
と思うかもしれませんが、そうではないです。
気功(導引)やヨガ的、武道の動きでいわれることは、
リラックスした心地よい姿勢だからそれをしたくなるのです。
もっと言えばリラックスとごく軽い緊張です。
ブラブラ状態からスッと瞬発的に動けるような状態をつくることです。

そのリラックスとほんの少しの緊張状態をつくることが、
本来の体育というものだと思います。
ケガをしにくいからだというのは柔軟性のある身体です。

どんなスポーツ、日常の動きでも、
なるべく故障のしにくい、筋肉や関節に負担を掛けない動き方を少しだけ
御自身で工夫して頂き日常生活の動きに取り入れれば、
それはもう武道というものと同じことをしているのだと思います。


そのような準備体操のような状態ができあがると、
からだの重心が頭、背骨、骨盤、足とまっすぐな姿勢のほうが楽だとわかります。

そしてそのからだの状態になったときには、足を組みたいとは思わなくなります。

しかし、長年のそうしたクセの姿勢をついついやってしまう。
やってしまったら、反対もやってあげる。
そしてその他の関節も動かしてあげる。
それだけです。

それらはホントは悪いことではなく、それが私達自身に本来的に備わる
常にゆらぎ続ける中で、からだの重心をあるバランスの範囲にとどめたり、
修正したりという自然な本能的な修復力なのです。

猫背といわれるものも同様です。
猫背は赤ちゃんが母胎の中にいる状態と同じといわれます。

背骨の仕組みや構造をみればわかるのですが、
猫背にすると背骨の一つ一つの間が拡がる。伸びる。
ですから、私に解剖学を教えてくれた先生は、猫背で
寝ることはいいことだと教えてくれました。

要するに猫背でリラックスしたら、
今度は反対の真っ直ぐ後ろに反らせてそちら側の柔軟性もつけてやる。
それができる方は、同じ猫背でも悪い猫背ではありません。

猫背自体が悪いのではなく、反対の背骨を反らす動きをしていない
背骨の柔軟性がない方がよくない猫背です。
ですから一見猫背でも内臓の健康な方はいくらでもみられます。


逆によい姿勢をした時に、苦しく感じるときはからだの左右差や捻れ、
重心のアンバランスがあるときです。

そのときは必ず強ばって緊張している筋肉や動きの悪くなった関節が
どこかにあるのです。

そしてリラックスするような軽い関節の動きをしてみましょう。

まず大事なのは常に体重を支えている足首です。
もしくは座り仕事で筋肉の動きがまったくなくなっている足です。

それくらい足は手よりも二足歩行をする私達にとっては大事なものなのです。

ぜひとも今日の足首回し、足の指広げ、それだけでもやっている方と
やっていない方は大きく違ってしまいます。
ぜひからだ中の関節を一日一回は最大限動かしてあげる。
それだけで一日の疲れかたも変わります。

 

2015.04.22 Wednesday 20:43

『人間はなぜウイルスに感染して発症するのか?』


『人間はなぜウイルスに感染して発症するのか?』

【参照】 http://oka-jp.seesaa.net/article/417639697.html

人間にとって最も日常的で慈悲深い治療者は「風邪ウイルス」かもしれないこと。そして、薬漬け幼児だった私がその後の十数年経験した「免疫回復戦争」の地獄体験記

風邪は自然の健康法そのものであり、風邪を引くことで自分の体のさらなる悪化を防いでいる。

上記は、In Deepさんのブログに書かれていた内容です。



整体という言葉自体をつくられた野口晴哉師とイギリスの天文学者であり、SF小説家である、
フレッド・ホイルという方とのからだの見方の類似性。
また、人間(ヒト)、私たちにとっての風邪というものの見方や考え方について、通常の西洋医学的な風邪というものを
私達の捉え方とは180°異なる見解について書かれています。

東洋医学(鍼灸・漢方)という身体の見方で今までの様々な患者さんから教えられたことです。
風邪というものの概念は、In Deepさんのブログに書かれていることは、
私自身の日々の様々な患者さんと接していて感じることとほぼ同様です。

『風邪(カゼ、ふうじゃ)というもの』の概念は、私達に牙を剥くこともあるのですが、
本来は私達自身の身体をリセットしようとしてかかっていて、
自然というものの見方の中では私達にとって必要なもの?重要なもの。
ではないかと思っています。

風邪というものとさえ友達になれれば、
私達自身のからだについても、とても優しくなれるかもしれません。



今回ご紹介させて頂いた In Deepさん のブログでは、
風邪(ふうじゃ)について、
御自身の病気やからだの不調から感じたことを交え、とても詳しく、わかりやすく丁寧に書かれ
ておられました(様々な方の風邪をはじめとする身体感、病のみかたなどを拝見していますが、
その中でもとてもわかりやすく書かれています)ので是非ともご一読してみてください。






鍼灸や漢方の風邪を抜く治療 の考え方。
〜風邪(かぜ)は万病のもと〜

当院では風邪抜き治療による体質改善をしています。

http://kyushindo.feel-hariq.com/kazemanbyo.html



風邪は自分のからだを「治すため」(リセットするため)にかかる。

『風邪をきっかけに、身体は良くも悪くもなる』

民間療法などでは、子供の頃十分しっかりした風邪を引いて、しっかりと治した子は丈夫なから
だになると言われています。

また子供の頃かかった風邪を十分治しきらない状態が続いて、花粉症やアトピー性皮膚炎の原因
や喘息になるとも昔からよく言われてきました。


総じて東洋医学(鍼灸・漢方)ではよく『風邪は万病のもと』といわれますが、
からだが以前の状態よりよくなるのも、悪くなるのも、風邪の時の養生にかかっています。
『風邪をいかにやり過ごすのか』というようなことです。
野口晴哉師は、「風邪を上手く通過させる」というように表現されますが、
上手く通過させたときのからだは「風邪がぬけた〜」という感覚が自覚的にハッキリとわかり、
その後は風邪にかかる前の身体の状態よりもかなりスッキリとした感覚になります。




ある日をきっかけに、
今まで感じていなかった肩こりや背中の筋肉のこりがやけに感じる。
頭痛を感じる。
からだのあちこちの関節が動かすと痛いような、重いような、何だかおかしい。

以上は、東洋医学(鍼灸・漢方)でいう風邪の初期状態で、
表証といったり、太陽病の風邪といったりするものです。
これに本来は、『寒け』や『熱が出る』といった、
『悪寒発熱』があるのが通常なのですが、

上記のような

「何だか今日はからだの感覚がおかしい」
「やけに肩が凝る」
「頭がスッキリせず、頭が重かったり、頭痛がする」

などの症状しか出ないことがあります。

これは、日頃の疲労の蓄積や不養生がたたり、風邪を治そうとする発熱をすること自体が
できなくなっている状態だと考えられます。
そしてこのような『風邪を想定した治療』をしてゆくと、
様々なからだの不調が次第になくなっていきます。




風邪の諸症状はすべて治そうとする防御反応。
咳 くしゃみ 鼻水 扁桃の腫れ
本来はウイルスや細菌に対する喀出反応で、
それらを排出するための生体に備わる自然な防御反応として起こっているものなのです。

ですから古くからある東洋医学(鍼灸・漢方)の書物では生命に危険を及ぼしていない限り、
「咳などは止めるべからず」です。


逆にいうと、風邪を引いて熱が出る方は免疫力があります。
一時期は大変なのですが、免疫力の強い人ほど諸症状が強く出て、
短期間にスッキリと回復します。

しかし、免疫力が低下した方では、
以上のような症状のみで発熱はあまり伴わなくなってしまいます。

野口晴哉師は、風邪をきっかけに身体を整えようということを繰り返し説かれています。

私も様々な患者さんを診させて頂いたり、自身の身体で今までに感じてきたことは、数週間のう

ちに小さな風邪に何度もかかっている状態のときもあります。
自身のからだに少しだけ目を向けてあげて、日々その身体の感覚を意識してあげるだけでもかな
りの健康度は増してゆきます。

これらのことを患者さんによく話すのですが、誰にも教えられずして、ご自身で小さな風邪を引
いたことを自覚し、入浴やほんのちょっとの身体を動かすこと、また休むこと、食べ物のことを
変えたりするだけで小さな風邪をきちんと抜ききっている方もおられます。

そういった方にとっては当たり前すぎることなのか、
一見現代の西洋医学とは全く異なる考え方を話すので
私のほうは理解してもらえるようにいろいろと気を使って話させて頂くのですが、
全くご本人は気にしていないようでそのまま話が通じて説明がほとんどいらなくてすみ助かります^^;
とても素直で自然に即した身体感覚なので、鍼やお灸をしても気の通りがとてもよいのです。


このような方は、未病という概念の中でもかなり健康度の高い方です。
気血の流れである経絡やツボ(経穴)の滞っているところは少なく、とても軟らかい健康的な筋肉
をしていて、胃腸の働きも活発(胃の気の脈が元気)です。

大事なことは、御自身の身体感覚に自然になることかもしれません^^







今回は風邪について少し突っ込んで書いてみました。
仕事柄、周囲の方に迷惑が掛けられないので咳は止めたいので服薬しなくてはならない。

そのような方が当院でもたくさんおられます。

よほど未病が悪い段階でなければ、服薬後に解毒して薬を抜きやすいからだを考えて、
まずは症状を抑えるのも一つの考え方です。
このようにその方に合った治療を組み立てることも常に考えております。

『健康にはいい』と頭では分かっていても、
生活の諸事情の中ではなかなかできないことも多いという方もおられます。
これら様々なお一人、お一人に合った事情に対応できるのが、
東洋医学(鍼灸・漢方)のいいところでもあるのです(^o^)

どのように御自身が治していきたいか?

いつでもお気軽にお話を聴かせに来て下さい<(_ _)>

 

◆参考図書 『風邪の効用』 野口晴哉  ちくま文庫

 風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものであると主張する著者は、自然な経過を 乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。本書は、「闘病」という言葉に象徴される現代の病気に対する考 え方を一変させる。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた野口晴哉の名著。

 解説 伊藤桂一 より抜粋


 

2015.04.13 Monday 17:53

病を治めようと思ったらまずはゆったりと。

病を治めようと思ったら、まずは『あせらないことが肝心』です。 
『肝腎』でもいいです。

まずは肝の臓と心の臓のあせる気を鎮めてあげること^^

歌詞、唄の詩、漢詩。
私はどれも聞きかじりの素人で自分で詩などはつくったことはないのですが、
頭の中ではなぜかよく歌を唄っています。


快食・快眠・快便
ということを良くしようとするだけでも
からだは平衡状態という自然治癒力がもっとも働きやすい状態になろうとしてくれます。

例えば便秘や下痢で苦しんでいたりしても、
くよくよしないでください。
ほとんどの場合はからだに見われる症状は、私たち自身のからだがよくなろうとしている結果
起こってくるものなのです。
排便できない自分を否定しないでください。
そしてほんの少しだけよくなろうと気にしてください。
決して沢山いっぺんによくなろうとしないでください。
からだは長年とても頑張ってきたので、これ以上働きたくないのかもしれません(rest)

欲張りな方は治りにくいですし、持久力や根本的な体力はすぐにはかわりません^^。

とても大変な思いや苦しい症状に悩まされることが少し長く続くこともあります。
イライラやあせる気持ち、落ち込みます。
でも私たち自身のからだを否定せず、信用して優しく見守るように応援してあげて下さい。
私たち自身の心の中に浮かぶ、見たくない自分、人として許せない自分にも少しだけかわいいと思ってあげて下さい。

まずそのようなことを受け入れることからすべては始まります。



自然というものは、水層の中や鉢に植えられた植物の土の中でさえ自然にまかせていると、少し時間はかかるのですが、その土地や環境、面倒をみているその人にあったどんな環境でもそれなりに整っていくといつも感じます。わたしたちのからだは常に『病』という、わたしたちが一般的には『よくないこと』とみなしている状態からバランスのとれた不快感が少ない状態からバランスを取り戻そうとしています。

数年で身体のあらゆる細胞は入れ替わり、肉体という物質レベルでみたときは、身体はほとんど置き換わってしまいます。

この仕事を続けていると、カサついた皮膚=皮毛+肌膚、荒れた皮膚や指、足の裏などを触れながら頭に自然とめぐることは、なぜか愛おしい感じや、その方が今までどのような人生を送ってきたのだろうという感覚が湧き起こり、その触れている方に感謝の念というか、尊敬の念を感じている自分に気付きます。細かな技術的なことは別としてわたしの中で治療ということで行ってきたことはたったそれだけです。きっとどんなお医者さんでも看護師さんでも行き着くとこはそれだけです。

だらけている怠け者の自分、頑張りすぎている自分、上手くいっているときも、ダメなときも
すべて後から振り返るととても愛おしく感じるはずです。
今のままの自分を受け入れてあげて、今ある自分のからだの治癒力を信用して、
決して欲張りすぎずに少しだけよくなろうとだけ想い、今まで生きてきた今の瞬間の自身を優しくみつめてあげ
てください。そして自分の手や足をなるべく按摩してあげて可愛がってあげてください。

頭の中で歌を唄ってふと周囲をみれば、手入れを怠っている水層の中やベランダの植木でさえ、
気にかけたときは、いつでも私たちを快く優しく迎えてくれるはずです。

 

2015.03.25 Wednesday 18:56

背中のコリをみて内臓を整える

背中のコリをみて内臓を整える

背中のコリはなぜ起こる?

鍼の深さや刺激について。
強い刺激・からだの深い部分の鍼(刺激)だけでは、
からだは変化してくれない。


―背部兪穴と腹部募穴図―


鍼灸の経絡の図を見ると、
背骨の高さに応じて五蔵六腑(六臓六腑)のツボがあることがわかります。

背中のツボを順番に軽く圧してゆくと ―

コリのあるところ、痛く感じるところ、強く圧して心地よく感じるところなどがあり、
どの場所も同じ感覚ではないことがわかると思います。

鍼灸では、その違和感があるところがそのままその内臓の機能低下をしているところとみてゆきます。

ですから各々、『〜兪』という五蔵六腑(六臓六腑)の名前が着いたツボの名称になっていて、
字のごとく『その臓腑を癒やす』ツボというそのものズバリの名前になっています。

しかし、鍼灸師やマッサージ師は、そこを強く圧したり、
深い鍼をしてもその場はとても心地よくてもまた数日すると同じところが凝るということを自分ですぐに体験します。

よく「マッサージをしてもすぐにまた元に戻る」ということをよく伺います。
私たちも出始めの頃にはこれに苦しまされます^^;
それはからだ全体を見ずに凝っているところしか意識がいかず、
そことの関連する根本部分に目がいかないためにおこってしまうことです。

そのようなことは鍼灸師、マッサージ師なら始めのうちは誰しも経験することです。

マッサージや指圧でも、施術者の身体感覚やからだのみかた(診察)によって
強弱のコントラストや施術する部位などを明確にすることで
鍼灸と同様以上の効果を先人達はあげてきました。


からだ全体をみる古来の鍼灸の方法では、
手や足の関連するツボとペアのように使って
それらの気の流れを通じさせるという方法を使うようになります。

そうなると1年同じ背中のツボに鍼を行ってもいつも取れなかったコリがなくなるようになります。
もちろん飲食の不摂生や疲労などでその内臓が機能低下したときには現れますが、
頻度やコリ感の深さがまったく異なります。

ですので「マッサージや指圧の強さや刺激では物足りないので鍼灸を」
というのは鍼灸というものの今までのイメージなどによる誤解なのです。

数年来の慢性的な内臓の機能低下では、数回の繰り返しの治療が必要ですが、
ここ数日〜数ヶ月単位の病の浅いものは、
鍼でなくとも、背中と共に関連する手や足のツボを軽く刺激することを1分ほど加えるだけで
その場で背中のツボの違和感はなくなり、胃腸薬を服用するよりも自然で十分なものがあります。

強く圧するそこだけの刺激だけではむしろ病やコリは1年やっても変わらず、
逆に病を固定化してしまい、鍼や強いだけの指圧などによる医原病になってしまいます。

鍼灸師が深い鍼はともかく、軽刺激をも重要視するのは、
鍼というものが、指や手では探れない体内深くの強い刺激をあまりに簡単にできてしまうからです。
そして、心地よさのあまりにそれを自身に何度も強く行っても
自分自身のからだが全くよくならないことを身をもって何度も体験してきているためです。

刺さない鍼や軽い指などでの刺激、鍼の深度の重要性は、
病の深さなどとの関連をみているものなので、
単なる刺激の強さや鍼の深さがよく効くということや、
速効性が出るということとは全く異なる概念のことなのです。


背中のコリをみて内臓を整える ― 背中のコリ感を瞬時に取り除く方法 ―


[その他、参考]

カイロプラクティック
AK アプライドキネシオロジーの
背中とお腹の神経リンパ反射ポイント

ある筋肉の筋力低下回復のリンパ反射のポイントとなっているからだの図です。


『霊枢』背腧篇(51)篇


 

2014.12.15 Monday 17:08

『ナイロンタオル健康法!』

『ナイロンタオル健康法!』

(乾布摩擦がめんどうな方向けに、
入浴時の体を洗うタオルを変えてみる)




寒く、冷たい冬の季節になってきました。

寒さや風邪に強い『丈夫な肺』にするための古くからの乾布摩擦は、
とても理にかなっています。が、
流行る健康法でもなく地味で、なんだかやる気になりません(ノ_・。)
ということで色々と考えます。

東洋医学では「体表の冷え」と「体内の冷え」を区別します。

「表寒・ひょうかん」と「裏寒・りかん」と呼びます。
治療法や使う漢方薬が異なるためです。

冷えはまず、体表面を襲います。
また、冬場はしょっちゅう体表に冷えが入ります。
まず、その外の(体表の)冷えを抜いてあげないと、
内側ばかり温めていても冷え症は全く改善しません。

『体表の冷えをさすって抜こう!』です。

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『からだはよ〜く触って調べると感覚異常(どん感になっている)部分がある』

『からだの感覚鈍麻(どんま)の場所を探す』

『からだの忘れてしまっている部分の感覚を取り戻す』


『同じはりやお灸をしても痛みや熱さが異なること』

『ぶつけたり、擦り傷などでも痛みかたが違うこと
またぶつけやすいところ』


鍼灸では、
以上のようなことなどをざっとみただけで類推(望診)したり、
実際に皮膚上を触れたり、さすったり、圧したりして感じたり(触診)、
実際にその部分の痛みの強さを伺ったりして(問診)
様々なからだの状態をみてゆきます。

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こころとからだは密接ですが、
今回は簡単にできる「単なる皮膚の刺激」ということで書いてみました。
心の状態や精神状態との関連はまたいつか書いてみます。

そして、半健康くらいならはりやお灸をしなくとも、
からだのある部分の皮膚刺激をしてあげることで様々な病気や不快な症状を除くことができる
ということで、
ナイロンタオルを使った皮膚の刺激でからだをより健康に!
ということを書いてみたいと思います。

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今まで様々な患者さんをみさせて頂きながら、私よりも長い人生経験の豊富な様々な方々の
独自の健康法や日常の生活でのちょっとした工夫のようなものをたくさんお伺いしてきました。

この手の中では有名な『タワシでからだを洗う』健康法が高齢の方でたまに伺いますが、
(確かにこれを行っている方の健康度は(☆o☆)するほど高いです ですが...)
ここまでしなくともなるべく同様のことを、ということでおススメ法です。

今回もなるべく日常の生活の中でできる、
『気楽にできる入浴』中にできることです。



総じてよく伺う中で感じることは、
入浴でよく温まる方は、シャワーだけの方と比べて同じような治療をしていても、
その場の鍼灸による反応も早く、治癒も格段に早くなるといつも感じます。
寒えや疲労の蓄積が少ないことが背景にあるようです。

またフットバス等で足を温めた後の施術と温めずに行う治療では明らかに効果が異なります。


からだを洗うときにマッサージをしながら洗う場所を感じて行われているような方
(からだの異常のある皮膚の感覚・身体感覚が豊かな方など)は、
さらに健康度も高く、反応も格段に早く感じます。
上手な方はきっとこれだけでかなりの健康度を保っている方も多いです。


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鍼灸の治療法は体表医学といわれ、脈診で五臓六腑の働きをみたり、お腹をみたり、
経絡が通る皮膚をなでたり、擦ったりしてからだの表面から内臓の状態を伺います。

このようなことを毎日していると、肌の状態だけでも様々なことがわかってきます。
カサついている部分、ざらざらしている部分、ぬるっとした油が出ている部分など。
通常の健康な適度な潤いがあり柔らかい健康的な皮膚とは明らかに違う部分が
さっと擦ったときにわかるようになります。

頻繁に自身にも鍼や灸をしながら先人の追試をしていると、はりをして痛みが強そうなところ、

ほとんど知覚が消失しているところ、直接灸をしても健康なところと比べて熱さを感じにくいとこ

ろ、お灸のあとに水ぶくれになりにくいところ、なりやすいところなど様々なことが自身だけでな

く患者さんのからだでも大体わかるようになってきます。

他にも蚊などの虫に刺されて痒みの強く出るところとほとんどかゆみや痛みがないところ。

『これはテーピングなどでかぶれやすいところとかぶれないところと同様です』

これらは皮下に濁った水(湿(水毒))うっ滞があるところとないところなので、
こういったところもなんとなく大体はわかるようになります。

(蚊などの場合は詳しくはよくわからないですが、
うっ滞のあるからだの毒素のような体臭に反応して
蚊がそこに刺のでは?ということもいう方もいます)

私も試しに蚊がわんさかとたかってくる山の中で手を出してみたことが何度もありますが、
悪いものの溜まっている『実』といわれる部分に停まりやすいと感じます(かなり正確に、気のせ

いか?否々)自分の感覚でも鍼で瀉法(抜く)したいと思うところにみごとに刺してくれる感じが

します。こういうところは痒みが強烈に強く、皮下にうっ滞のない健康状態のいい皮膚の部分は痒

みをあまり感じません。


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このような皮膚のある部分を探すのが鍼灸治療というものではとても重要なことになります。

そして、このような皮膚のある部分がどの経絡や経筋といわれる筋肉のスジ、
また臓腑(内臓)に関連しているのか?

ということをみてゆくと、昔の書物に書かれていることがとてもよく観察されて、
シンプルにまとめられた治療法だと感心してしまいます。

また後日書きますが、手術痕や古傷、傷の後シミの残っているところなどが
意外な落とし穴になって治療がなかなか進まなかった失敗例も多々あります。

中国などでは漢方薬を注射をしたりすることも行っているのですが、
その注射する場所(ツボ)を重要視したりします。

薬剤が入ってない鍼でもかなりの変化をからだに与えるものです。
その鍼灸の鍼よりもかなり太い筒状の注射針で薬剤を注入するのですから、
場所によって効果が左右することは、
ふつうに考えればとても重要なことだと思うのですが...

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それはさておき、今回は、

先程の鍼を刺して痛い部分や全く感覚のない部分、ここが刺激する皮膚の部分です。

ナイロンタオル健康法と聞き、多分、

『ナイロンタオルは刺激が多すぎて痛くてできない!』

と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ナイロンタオル健康法では、痛みが感じずらい感覚が鈍麻しているところを刺激を
お願いしております。

ですから痛くはないと思います^^。



はりや灸をして『痛みや熱さが感じにくくなっているところ』

まずはここがとても重要な皮膚の部分です。

鍼灸的には血行不良の感覚鈍麻した寒えとしての皮膚の部分です。
長年の場合は鍼をさしても痛みを感じない部分(健康的な)ところとは異なり、
感覚自体が麻痺してしまっているところです。

ナイロンタオルを使っても他のところと比べて痛みが感じにくいところ、
感覚がぼんやりしているところ。
そこをしっかりと刺激してあげて、健康な部分は軽く痛くない程度の刺激で擦ってあげる。

慣れない不安な方は通常のタオルで擦り、確かめてから、
感覚が鈍麻しているところのみナイロンタオルで擦ってもいいと思います。

私達の鍼灸等が数箇所のはりでからだの状態を変化させることができるのは、この
刺激する場所を明確にしていることといわれています。
またそういうところに昔から定められているのが体表上のツボです。


・ある程度強く刺激しなくてはいけないところ。

・ごくごく軽い刺激でいいところ。

体表面の明暗(コントラスト)を感じているような感じです。




※刺激するといいからだの部分の目安は、

からだを洗うときに

『いつも刺激していないところ』
『さっと流してしまうような部分』が、

まず刺激するといい部分です。


ふだん脳への入力刺激(インプット)が他と比べ極端に
少なくなくなっている部分といえるかもしれません。

(脳というのは神経のつながりで全身に張り巡らされているので、
働きでみれば、脳というものは頭にあるものだけではなく全身そのものだと思います)
からだへの刺激は脳そのものへの刺激です。
からだを動かすだけでも筋肉の動きで引き伸ばされ皮膚刺激にもなります。
ということで運動は健康に良いのでふだん身体を動かすことが多い方はからだを刺激しています。

そのようなことを内臓との関連でまとめあげたものが古来の東洋医学の経絡というもので、
ある動きと内臓との関連も類推できたりもします。




◆歯茎も感覚麻痺のツボをみつけると歯周病予防になる。

先日、歯科の先生とお話したのですが、歯もからだも
磨くところは黙っていても磨く癖があるので忘れることはないそうです。
それよりも
『普段刺激をしていないところをいかにみつけるか?』
が歯周病予防でも重要とのことでした。

※『感覚がなくなっているところは歯茎もからだも

無意識的に触れることを避けたり嫌ってしまうようです』

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慣れてくると、
入浴時にからだを洗うときにさすることでこの場所はわかるようになってきます。

だれでもわかりやすいところの代表は 『足のかかと』 です。

成人では、かかとは軽石などで強くこすっても痛みはほとんど感じずまた、
感覚もかなり消失してしまっています。

かかと周囲が悪い方は皮膚が硬く厚くなり、浮腫んで一周り二周り通常より浮腫んだ状態
になっています。

他にも膝のお皿の下(犢鼻というツボ付近)、外と内のくるぶし(外踝 内踝)、
ひじの骨の付近(肘頭)。
なども皮膚が角質化してカサカサになって黒ずみ、荒いシワになっていたりします。
足のタコも同様です。
とくにくるぶしやひじ頭などは爪でつねっても全く痛くない方も多いです。

このようなところを繰り返し刺激しているうちに感覚が出てくるのと同時に子供のように柔らか

い皮膚の状態になり、黒ずみなども消え、浮腫みもなくなりかかとがスッキリした状態になります



かかとがキレイになってくると以前は厚ぼったい状態だったこともわかるようになってきます。

かかとが原因(腎)の腰痛の方は、このような状態に足が変わるとほとんど腰の痛みやダルさも

、訴えなくなってきます。

からだの関連いえば、かかとは腰周囲(下腹部・骨盤や腎・生殖器)と密接な関係があり、
アキレス腱のついているかかとの左右差と
背骨の両脇の脊柱起立筋の左右差の関係もまた密接です。

背中の筋肉に凝り感がある方でかかとが硬い腰痛症の方には、是非おススメです!

もちろんタオルの両端を持って背中をゴシゴシしたときに、背骨の高さによって痛みが感じにくい
ところは最重要です。

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からだの皮膚感覚(触れられているという感覚)は
神経学的にも原始的な神経といわれています。
外界と自分との境界、そして連絡口・交通路です。

最近では、

からだを擦る刺激 = 母親が子供を擦る刺激

ともいわれておりとても精神的にもとてもリラックス作用があるそうです。


脳の深い部分に無意識的な愛情のような感覚をも働きかけるといわれ、
過去のトラウマ等の心理的なものの治療の可能性も探求されはじめています。
動物やペットなどと触れ合う温かみは何ともいえない心地よい感覚です。


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ナイロンタオル健康法、
慣れないうちは少し強い刺激のように感じるかもしれません。
(長い期間忘れ去ってしまっている部分です)

お若い方は知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、
一時期テレビのバラエティ番組にもよく出演され指圧の普及に尽力された、
故浪越徳治郎先生の名言のように...

お風呂で優しくゆったりとした母ごころで
普段忘れてしまっているからだのある部分を見つけてあげて
ぜひ、よ〜っく擦ってあげてみて下さい(^o^)



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以下、薬局・ドラッグストアなどで手に入れることができるナイロンタオルです。


商品名の「男のタオル」というのはたまたま家にあったものなので、
とくに関係はありません^^

大きさが少し大きく、肌触りが強い製品のようです。
今では刺激がマイルドなものも多いので、
少しずつ試してみて使い分けても面白いかもしれません。















そして鍼の治療で皮膚刺激の治療として使われる、

『梅花鍼(七星皮膚針)』といわれるものです。

これも火鍼法(燔鍼はんしん)・焠鍼(さいしん)法ともいわれるもの似たように、
「少しチクチク」と刺激することで体表面の寒えなどを抜いたり、発汗(不感蒸泄)を
促したりするために使われる鍼です。





 

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